コンセプト


OD人事経営コンサルティングの「OD」とは、組織開発(Organization Development)を意味しています。

組織開発とは、個人間の関係性に働きかけて組織全体をうまく機能させようとするアプローチのことです。

 

企業などの組織には、脈々と受け継がれてきた「独自のルール」「価値観」が存在しています。

これらは「文化・風土」として組織の水面下に存在するため、普段は目にすることがありません。

しかし、経営方針や事業戦略を判断する際に姿をあらわし、業績を大きく左右します。

  

技術力が成熟し、競合との差別化が困難になると「働くことへのモチベーション」や「人と人との関係性の質」などの「組織風土」が企業競争力の差に直結していきます。

 

組織内に「好ましい組織風土」を醸成していくには、企業と従業員とのエンゲージメント経営に対する信頼感職場レベルで相互協力ができる仕組みづくりが重要です。

また、人事面での不安感を払しょくできてこそ従業員が定着し、惜しみなく能力を提供・発揮することができるものです。

 

「好ましい組織風土」を土台に構築した上で、経営部門と人事部門が連携して現場と対話を続けていく企業、つまり人的資本経営を重視した企業こそが今後も事業を継続・発展し続けられると考えています。 



組織風土について


部署ごとの業務範囲と社内手続きを過剰に重視し、本質的な部分が疎かになっている企業があります。

このような企業の従業員は、関係者との調整に膨大な時間と労力を費やすため、必要な情報を隠すようになります。

 

そして外部の関係者から「この企業の従業員は大人しい」と評価され、職場の空気が重たく冷めており、継続的に
業績が悪化しています。また、部門間がお互いに対立しながら責任を押し付け合う企業もあります。

 

その一方、部門や階層に関係なく「気軽にできる本質的な対話」が繰り広げられ、従業員同士が互いにサポートしている企業があります。

 

このような企業は対話を通して知識や技術を社内で共有できるため、優秀な従業員が定着し、従業員が成長していきます。

社内は活き活きとした明るい空気に満ちており、市場が縮小する業界においても着実に業績を伸ばすことができています。

 

職場風土をつくるのは、「人」と「人」との関係そのものです。皆様の組織は、いかがでしょうか?

組織風土には「慣性の法則」が働いていますので、放置せず早めに手を打つことが大切です。

自社の将来に不安を感じたときは、お気軽にご相談ください(初回相談は無料です)。



人材育成への考え


「自ら成長しようとする力」を引き出すのが人材育成

 

どの企業も自社の従業員に対しては「自分自身で成長していけるような自立した人材になってもらいたい」と願っていると思います。

しかし、人と同じように良い作物も良い土壌があってこそ育つものです。したがって人材育成担当者は、普段から自社の組織の状態、例えれば土壌の変化に注意して、水と栄養分に配慮し、畑のメンテナンスをしておくことが大切だと思います。

 

様々な種の植物が育っていくには、光や温度設定など、それぞれの種に合った育て方があります。

促成栽培では、ひ弱い作物になるといいますし、あせって早く育てようと茎を引っ張れば作物は枯れてしまうのだそうです。

 

まだ自ら成長する術を知らない段階で、いきなり畑に植えられてしまっては、そこから成長しない種も多く出ると思います。まだ根も張っていない段階で、いきなり自立だ、といわれても、どうしたらよいかわからないのではないでしょうか。

 

中堅社員の育成を考える際には、前提として、それまでにどのような能力や仕事への態度を身につけてきたのかが極めて重要になってきます。

 

バブル崩壊以降の行き過ぎた成果主義、専門性崇拝への反動もあり、多くの企業が若手社員を対象に階層別教育を復活させて、この世代のOff-JTに特に力を注いでいます。

 



 ■自立するために基礎を固める

 

新人は入社して3年間くらいの間は、基礎体力をしっかりと身につけさせる必要があります。

また、職場であえて業務上の負荷をかけ、何も考えずに大量の仕事を「がむしゃらにやる」という時期を経験することも大切だと思います。

 

この段階は自分の意思とは関係なく、会社、上司、先輩から「仕事をやらされている」という状況ではありますが、

その後、中堅社員になったときに、それらの経験が自立するための礎になっていくのではないでしょうか。

 

自立の芽を摘んでいる、個性をつぶすといった意見もあるかもしれませんが、まずは自立するための基礎を周囲がしっかりとつくってあげなければ、自立することもできないと思います。

まだ何を身につける必要があるのかもわからない若手社員に対しては、初期の段階に必修の基礎教育を充実させておくべきです。

全員とは言いませんが「周囲からのやらされ感」もいずれは「自らやっているのだ」というように、次第に意識も変化していくものです。

 

この時期は米作りで言えば、苗床みたいなものだと思います。まずは病気になる害虫を避け、土台作りに専念するべきです。そして自ら成長できるようになった段階で、それぞれの種に合った肥沃な畑(成長できる風土を持つ職場)に植えてあげることで、太く、たくましく、育っていくことができるのです。

 


 ■試練や修羅場の経験が成長する力を育む

 

ある程度、成長してきた中堅社員には、こちらから何でもしてあげることではなく、自ら成長する力を会得できる試練や修羅場を経験できるように、チャレンジさせてあげることも重要です。

社員が職場を離れている場所、プライベートの時間でも自己啓発を続けていれば、自然に成長していくものです。

1日の大半を過ごす職場においてこそ、もっとも成長を促す経験の場や機会が存在しています。

 

部下の成長をともに喜び、見守っている管理者と放置している管理者とでは、同期入社の社員を比較すると、その成長度合いに違いがみられます。

 職場の上司が仕事の場を通して、中堅社員の能力をさらに引き出せるように、企業としての支援する仕組み、制度を整備していくことが、我々に課せられたミッションなのだと思っています。

 

支援先の皆様には、あせることなく、じっくりと強く根を張って大きく成長していって頂きたいと願っています。